夫の仕事にくっついてピークディストリクトまで行きました。
前日降った雪が積もっていて、日中でも本当に寒い・・・・
それでも優雅に泳ぐ白鳥。
この薄暗さでまだ午後2時くらいです。
古い水車小屋などもあり、あ~、本当に何もないイギリスの田舎町・・・。
この日はイギリスの伝統的な焼き菓子「ベークウェルタルト」が生まれたベークウェルの町に行くのが私の目的でした。
ベークウェルタルトは私の本「英国カントリー とっておきのティープレイスへ」でレシピを紹介しました。(この本はすでに完売していますが・・・)
元々はベークウェルの町の宿屋で、間違えてストロベリータルトの上に卵液を流してしまったシェフが、そのままオーブンで焼いてできたというお話があります。
どれがオリジナルのお店?というと、これがもう、諸説あって、とにかくみんなが「うちがオリジナル!」と主張している感じ(笑)
まずこのお店も堂々と「オリジナルレシピ」とうたっておりましたので、一応1つ買ってみる。
ちなみにどこの店も「ベークウェルタルト」と「ベークウェルプディング」の両方が置いてあります。
私の受けた感じでは、プディングの方がやや柔らかくて、お店の人に言わせると温めてカスタードをかけて食べるのが一番良く、デザートだということ。
でもタルトの方はもう少し粉の含有量が多い感じで少しスポンジっぽく仕上げてあり、常温でティータイムのお菓子として食べるということでした。
これは「The Bakewell Tart Shop」のもの。
こちらもオリジナル、と宣伝しているお店です。
英語のブログを色々見た結果、ここが美味しいらしいというのでここのも買ってみました。
こちらではもっと長期保存ができるタイプのしっかりとしてドライなタルトが並び、ベークウェルのひとつのバリエーションである「チェリーベークウェルタルト」がありました。
上に白いアイシングがかかり、赤いチェリーを飾るもの。
スーパーに市販品が沢山並んでいるんですよ。
可愛いショーウィンドーディスプレイ、でも早々と店じまいの気配・・・・・
3時半だというのにもう閉店?と聞くと、
「冬はオフシーズンでお客さん来ないし暗くなるからどこも4時に閉まるのよ」
とのこと。
でもまだ3時半・・・・
「今日、お天気悪いから」
とあっけらかんと首をすくめられると文句言えないのがイギリスです・・・・・。
「他にどこかティー飲めるところないかしら?」
と聞くと、勢いこんで
「それはもう、この町はティールームばかりHellみたいにあるのよ!」
(地獄にティールームはないと思うけど、ものすごく、という表現をするときに口語だとHellを使うのですよ・・・)
「じゃ、どこかお薦めあります?」
「どこも冬場は店開けないし!うちとあと数軒くらいかなー、でも全部4時に閉まるし、今日はお天気悪いから」(また首をすくめる)
勝てない・・・・・。
価値観が違う人に何を言ってもきょとんとされるだけだし、郷に入ったらまっすぐしたがってしまうクセがついている元CAはその点諦めが早い。
確かに3時半でこの夕暮れぶりですからね、店閉めたくなる気持ちもわかる、誰も文句言わないのでしょうから。
見た目はあまりよくないですが、一番美味しかったのは
「The Old Original Bakewell Pudding Shop」
中味はほとんどカスタードプリンのようで、甘さも控えめ、小さいサイズをあっという間にひとりで食べてしまいました。
「Bloomers」という店です。
まだ言い続ける「うちがオリジナル!」
オリジナルでなくてもいいからー、一応営業時間は営業しましょうよ、ベークウェルのみなさん。