「英国スタイルで楽しむ紅茶」と、その前に出しておかげさまで完売になった「英国カントリー とっておきのティープレイスへ」 で写真を担当してくださったのが富岡秀次さん、ロンドンで活躍する写真家さんです。
雰囲気のある写真は「ミセス」や「フィガロ」、「アエラ」、日本航空機内紙などでご覧になった方もいるかと思いますが、今、ブログを書いていらっしゃいます。
そちらで今回、私のことを紹介していただきました。
(男っぽいと思われているらしいのがわかって面白かったです・・)
また、他のインタビューでお話したことがないのですが、私にはイギリス紅茶業界の大事な友人たちから受けた恩恵に対する感謝の念みたいなのが強くて、それが今の自分の原動力になっていると感じます。
まじーめにお答えしたので、イギリス人って、あるいはイギリスの紅茶業界の人たちってそんな風なのかー、ということを知りたい方はどうぞ読んでみてくださいね。
その富岡さんとは最近お仕事をご一緒する機会がありませんでしたが、数ヶ月前に富岡さんがお仕事で訪れたロンドンのアセニウム・ホテルで、マネージャーから
「日本のお客さまにもっと来ていただきたいので、誰か日本人に情報を発信できる人を紹介して欲しい」
と頼まれたそうで、私を紹介してくださり、11月にホテルが富岡さんと私を一緒にアフタヌーンティーにご招待してくださったのです。
(今回の写真は全て富岡さんが撮影したものです)
アセニウムホテルは、以前も雑誌の取材で訪れたことがあり、その後数回利用していましたが、2012年に英国ティーカウンシルが定める「ロンドントップアフタヌーンティーアウォード」を受賞してからは、なかなか予約が取れない状況になっていました。
こういう仕事をしている特権で、マネージャーにお願いすると席を何とか用意してくださったりすることもあったのですが、あまり何度もだと悪いですし、たとえそういう場合でもこちらのお部屋には席が取れないことが多かったので、しばらく足が遠のいていました。
このお部屋が私は好きです。
天井が高くグランドな感じのホテルも素敵ですが、ここは自分の部屋にいるように落ち着けるのがいいのです。
最初にいただいたピンク・シャンパン。
富岡さんとはアフタヌーンティーの撮影はそれはもう、数限りなくご一緒しましが、このシャンパンを見ると、私はスティックでかき混ぜて泡を立てなくてはいけない気持ちにさせられます(笑)
つまり、撮影の時って、色々と物を動かしたりセッティングしているうちに、シャンパンの泡が落ち着いてしまったりするんですね。
そういう時、美味しそうに見せるために、私がスティックでこれをかき混ぜて泡を立てなくてはならなかったんです・・・・・。
さすがに撮影前にサンドイッチを食べてしまうことはありませんでしたが、一日に5件も撮影を入れている暑い夏の日に、私は疲れてぼーっとして、出された子供用アフタヌーンティーのシェイクを、何も考えないで飲んでしまって、富岡さんに
「あ~~~~~!」
と叫ばれたことがございます・・・・・。
こればかりは、スティックで泡立てて誤魔化せるものではないですしねー。
アセニウムホテルのサンドイッチはしっとりして美味しいですよ。
綺麗なつやがある方がいいわけですね。
でも富岡さんは基本的に自然光で撮る人なので、ライトも持ち歩きませんし、他の写真家さんのように折りたたみのレフ板を持ち歩いたりもしません。
その代わり、アシスタントは(この場合私ですね)、白いナプキンか大判の白いハンカチを持ち歩き、それをさっと取り出して使わなくてはならないのです。
彩り、構図、光。
近くでお仕事ぶりを見ているだけで、ずいぶん勉強になりました。
今、富岡さんは時々ロンドンで写真のレッスンをされているそうで、一般の方がそういった技術を勉強させてもらえる機会もあるようです。
もう何年も前になりますが、一眼レフを買った私が
「富岡さん、写真の撮り方教えてくださいよ」
と言ったら、じっと考えてから
「うーん、ボタンを押すだけですよ」
と言われて絶句したのですが、今、先生として教えていらっしゃるというのはどんなレッスンなんでしょうか・・・・。
(いや、その後ちゃんと現場で教えてもらいましたが・・・・)
アセニウムホテルの良いところは、まず紅茶の種類が豊富であること、それをいくつでも選ばせてくれることでしょうか。
シングルエステートティーもいくつかありますし、日本はもちろん中国のグリーンティーも揃えてあります。
最近の傾向としてグリーンティーや東洋のお茶に力を入れているところが増えていますが、紅茶もこうしてシングルエステートなど、深く掘り下げた選択肢があるのはうれしいですね。
そして、ここの特徴のひとつが、三段スタンドにセットされたお菓子のほかに、トロリーで運ばれてくる別のお菓子があることです。
グラニーズ・ケーキと呼んでいましたが、要するに昔ながらのおばあちゃんが作ったようなケーキだけを、トロリーに綺麗にセットしているのです。
ここにあるのはレモン・ドリズル・ケーキやキャロット・ケーキ、コーヒー・ウォルナット・ケーキなど、その都度内容は変わりますが、基本的にとっても昔からの定番ティータイムケーキなのです。
私が普段作ったり、レッスンで出したりお教えしているケーキたちですね。
ですから、どうぞ、そのケーキの分もちょっとだけおなかのすきまを空けておいてください。
このお部屋ですが、決して大きくはありません。
フェミニンで、こじんまりとしてかわいいこのお部屋が満席の場合、レストランの方に席を用意してくれることもあるので、予約の際にはそれを確認されることをおすすめいたします。
せっかくですから、ぜひこのガーデンルームへどうぞ。
£29・50は最近のロンドンではリーズナブルなお値段ですよ。
今でも週末は予約が取り難いこともあるので、予約は早めにされることをおすすめいたします。
ゆっくり寛ぎたい時におすすめのアフタヌーンティーです。