懐かしい写真が出てきました。
2014年、もう10年近く前に、横浜の山手西洋館のひとつ、イギリス館のクリスマス展示を担当していた時のものです。
まだイギリスに住んでいましたから、たくさんのデコレーションを抱えて日本に来て、たくさんの方のお世話になりました!
暖炉の前やツリー下のプレゼントは、たくさんのボランティアの生徒さんがきれいにラッピングしてくださったものです。
マントルピース上、その他お花の全てはクイーンズフラワーの須藤先生とそのチームによるもの。
ロンドンで私のレッスンに通ってくださった須藤先生は、イギリスのスタイルを熟知されているのでイメージを伝えるだけで私の期待以上の素敵なアレンジをしてくださいます。今年も自宅でのクリスマスクラスでは須藤先生にお花をお願いしているんですよ。
もともとハロッズのお仕事でお世話になっていたスーパー仕事ができる女性Iさんや須藤さん、ボランティアの皆さんのお陰でなんとか公開にこぎつけましたが、あとから聞いたらこのデコレーションは企業さんが担当されることが多いらしく、前年度もファブリックの有名会社とのこと。市のイベントですから予算はかなり低めに設定されており、企業の宣伝費などで賄わない限り不可能な感じでした・・・・・。
こちらはドローイングルームをイメージ。
家具もあまりないので各部屋を飾り付けるので大変でしたが、まず家具は横浜のアンティークショップからお借りしたり、目黒のイギリス家具のお店からお借りしました。
食器はバーレイからお借りしています。
ベッドルームもあるのかー、と思いましたが、ここは西川さんがベッドリネンを貸してくださり、イギリスから持ってきたブランケットやベッドスプレッドと組み合わせることができました。
ベッドティーをイメージしたバーレイの食器も効いてますね。
何よりも素晴らしかったのが、マナ・トレーディングさんからカーテンを全て取り付けていただけたこと。
確かもともとは白いカーテンしかなかった気がするのですが、どうしたらよいやら・・・・とご紹介でマナさんに相談にいったところ、ちょうど運良くイギリスのサンダーソン社の方が日本出張中でいらっしゃいました。マナさんからお話をしたら、ということでいきなり英語でプレゼンしたところ、「わかりました、サンダーソン社のお好きな生地を選んでいいですよ、全て提供します」とのこと。
あまりの寛大さにびっくりしてぼーっとしていたら、マナ・トレーディングさんが「サンダーソン社がそこまでしてくださるなら、カーテン製作と取り付けはマナ・トレーディングがいたしましょう」と、これもまた仰天!のお申し出をいただきました。
今考えても夢みたいです・・・・・。大好きなサンダーソンの生地を選んで各部屋をコーディネートするのは本当に楽しい作業でした!
キリムのカーペットも、知り合いを通じて業者さんがかなりのクオリティのものを貸してくださり、何かこぼしたら大変!と緊張しました。
クリームウェアはイギリスらしさにあふれる品が良い食器、こちらも当時はバーレイを扱うタスマン・インターナショナルさんが取り扱っていらしたのでお借りしました。
テーブル上は自分でアンティークをいくつも持ち込みましたが、ゴールドの装飾がついたカトラリーとクリスタルのグラスはノリタケさんが貸してくださいました。何回かノリタケさんのショールームでレッスンをしていたご縁のおかげです。
コンサバトリーにはロイドルームチェアを置きたかったので、そちらもご好意でお借りしましたが、さすがにプラントは有料の貸出サービスをお願いしました。
ところが!とても運良く英国商品の展示会で、英国でも活躍されているガーデナーの女性とお会いして、そのご縁で「スキミア」という植物を40鉢もご提供いただきました!どっとトラックで40鉢が届いた時は歓声が上がりました。
これは、片付けの際にお手伝いに来てくださったボランティアの生徒の皆様にお持ち帰りいただきました。
準備は2日間で済ませなくてはならないので、それはもう本当に自分があとふたりくらいいたらいいなあ!と思う忙しさ。ボランティアの生徒さんたちのきめ細やか、かつ手早い動きがなかったら夜中までかかっても間に合わなかったと思います。
1ヶ月間の展示期間、無料でかなりの人数のお客様がいらっしゃるので、テーブル上のものからオーナメントから全て盗難防止のためにテグスでクロスに縫い付けたり、針金で留め付けます。地道な作業で時間がかかることが多いのです。
文化財の建物ですから壁に穴は開けられません!
絵画はピクチャーレールで吊るしました。
この部屋だけは男性的かつプライベートな感じが出るように、母のブリッジセットを借りたり、イギリスのビンテージのゲームを置いたり、友人のインテリアデザイナーの女性の私物の洋書を置いたりしました。絵も狩猟の絵で伝統的なイギリス男性好みに。
ひとつひとつの部屋のコンセプトを決めてインテリアを作り上げて行く楽しさは、このイギリス館で知ったのかもしれません。
あとから聞いたらカーテンまで付け替えた人ってこれまでいなかったそうで、ああ、そこまでやらなくてよかったのかな?とも思いましたが、結果的にはとてもイギリスらしい空間が作れて嬉しかったです。
全てに保険を掛けなくてはいけないので、お借りしたものを書類に書き込んでいったら、なんと総額1000万円を超えていました・・・・。アンティークの大きな家具やイギリス製カーテン、ロイドルームチェアや高価なカーペットもありましたし、食器だけでもかなりの数にのぼりましたのでさすがにすごいな!と驚きました。
私なんかにこんなにたくさんの方がご協力してくださるのにびっくりしましたが、やはり毎年の山手外国人館のクリスマス展示は大変な来場者数ですし、多くの方の目に触れますから、それが理由だと思います。
今、自分たちの家を整えるために一から全てを選んで行くと、この時の楽しさを思い出します。
自宅だとお借りする、というわけにはいきませんからチョイスは減りますし、予算もありますし、とてもではないですがクリスマスのインテリアだけに1000万はかけられないですが!
でも、制限がある中で工夫するというのは私は好きです。その方が腕が鳴る、というか、やりがいがあります。
今年のクリスマスクラスに向けて、今日はティーフード試作の日でしたが、今週で工事が終わるので一気に飾り付けするのが楽しみです。