日本ではコロナ対策前から何年も、マスクをつける習慣が根付いています。
だからコロナ対策としてのマスクの着用にもあまり抵抗がなく、皆さん戸惑うことなくマスク姿で外出されていますよね。
でもイギリスでは(他の国もそういうところは多いですが)、医療関係者、あるいは感染者など相当な理由がなくてはマスクはつけないというのが元々のあり方でした。
日本から渡航されたばかりの生徒さんが、街なかで日本の感覚でマスクをして歩いていて警官に職務質問されたとか、Tube(地下鉄)に乗ったら隣の人が飛び上がるようにして席を移動した、などという笑い話みたいな話もよく聞きます。
ですからコロマ前までは、イギリスに駐在される際、「日本とは違うので、人前でマスクをするのは控えるように」という注意をされるのが一般的になっていました。
ところが今は、マスク着用が義務づけられる国も多くなり、様相は一変。
これまでマスクをつけ慣れていた日本の人はあまり不自由もなくそれに従えますが、慣れていない人にとってはかなりストレスになります・・・・・。
かくいう私もそのひとり、特に蒸し暑い日本で苦労していますが、イギリスではマスクという新しい習慣に関する情報が日本とは違うなあ・・・と思ったできごとがありました。
日本にいて、マスクに関する情報として見るのは「可愛いマスク」とか、「涼しい」とか、「感染予防する付け方、取り方」など機能的なことが多いようです。
そんな中、先日目にしたイギリスの「マスクをする際のマナー 気をつけたいこと4点」という内容の記事はこのようなものでした。
1.アイコンタクトをしっかり取る
表情がわからないからこそ、アイコンタクトを避けていると不信感に繋がる
2.見えないかもしれないけど笑顔で
口元が見えなくても目元や声の表情がフレンドリーになる
3.はっきり話す
口元が見えないので何と言っているか見当がつけにくい
4.ボディランゲージに気をつける
表情が見えない分、ジェスチャーがものを言う。だらしない姿勢や腕組みは話しかけにくくなる。
なるほどー、ということばかりです。
でも、今日本にいて、これだけ沢山の情報を目にする中で、マスクをつけている際に気をつけたいポイント、というのは見たことがありません。日本ではすでにずっとマスクをしているからいまさら、なのかもしれませんね。
日本人はもともとあまり大きく表情を変えて話す人が少ないですし。
アメリカやラテンの国ほどではありませんが、日本よりは表情の豊かなイギリス。
日本で「イギリスのマナー」というと、テーブルマナーの、それも最上級にかしこまった時にしか使わないようなルールをどんどん羅列していることが多いのですが、現代のイギリスのマナーブックには「スマートフォンの使い方マナー」とかこういうマスクの際のマナーとか、現実に即したものが多くあります。
あくまでも、他人を不快にさせないのが「マナー」の本来の目的なのですから、現代には現代のマナーがあり、それで十分だと思います。必要もない立場やオケージョンで、ことさらに色々あげつらうのは本末転倒な気がしてなりません。
私も暑いけど人と接近する際には頑張ってマスクして、その上でなんとか気持ちよい応対ができるよう心がけます!